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被災が導いた使命、自立と挑戦、平和への祈り 【海上自衛隊】女性隊員が見つけた“生きる力”

海上自衛隊女性隊員
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自分の力で、誰かを守れる人になりたい」
そう語る彼女は、海上自衛隊に入隊して5年目。
大規模災害をきっかけに“人を助ける仕事”へと進んだ、一人の女性の物語です。

災害で止まった街。そこで見た“光”

平成30年7月豪雨(7月10日、広島市) (c) Getty Images

平成30年7月豪雨。まだ22歳だったあの夏、呉市は未曾有の被害に見舞われました。
土砂崩れにより陸路は寸断され、街全体が孤立状態に。さらに住民を苦しめたのは、約2週間にも及んだ深刻な断水です。水が出なくなるのと同時に、街はその機能も停止してしまったかのように静まり返り、「水がなくては何も動かない」という現実を突きつけられました。

そんな絶望的な状況の中、外部からの支援として現れたのが自衛隊でした。
給水車による水の配布や食料の輸送など、命をつなぐための活動が始まります。
中でも彼女の記憶に強く残っているのは、入浴支援でした。 
呉基地の宝町地区は、偶然にも直前まで行われていた工事や整備の関係で、奇跡的に断水を免れていたのです。自衛隊はその施設を急遽開放し、住民たちにお風呂を提供してくれました。

被災し、心身ともに疲弊していた彼女は、その光景を目の当たりにして心が震えたといいます。 
「人って、こんなにも誰かのために動けるんだ」
「自衛隊は、本当にこういう『人助け』をしてくれているんだ」

ただの憧れではなく、実際に助けられる側としてその活動を肌で感じた瞬間でした。
「私も、人の役に立つ仕事がしたい」
その夏の被災経験こそが、彼女が自衛隊への入隊を固く決意する、何よりも大きなきっかけとなったのです。

(参考)
平成30年7月豪雨に係る自衛隊の災害派遣について(防衛省HP)
平成30年7月豪雨災害 呉市 被害状況 (呉市HP)

組織の中で見つけた「安心」と「自信」

入隊前、彼女の胸には大きな不安がありました。

「自衛隊って怖い場所なのではないか」
「男社会の中でやっていけるのだろうか」
「厳しい上下関係に耐えられるのか」

荒れた天候の中での任務や、覚悟を求められる過酷な環境が待っているのではないかと身構えていました。
しかし、実際に飛び込んでみた海上自衛隊の世界は、想像を大きく裏切ったのです。

周囲の隊員がくれた、任務を遂行するための支え

入隊後は、海上勤務を経験します。
当然、体力面では男性との差もあります。しかしそこで返ってきたのは、厳しい言葉ではなく、「無理をさせないための具体的な指示」でした。重い水のダンボール、10kgの米袋など、重労働が必要な場面では、「女性だからいいよ」と甘やかすのではなく、本人の力量を理解した上で的確な指示をくれたのです。
根底にある“本気の安全管理”に支えられている実感でした。
そこには、隊員一人ひとりの安全を守りながら、組織として任務を遂行するという海上自衛隊の伝統が息づいています。

経済的自立がもたらした、人としての自信

コースカベイサイドストアーズ5Fの海自サテライトベースにて

自衛隊に入って得たものの中の一つに、経済的な自立をあげます。国家公務員特別職として安定した収入があること。船に乗っている時期には船乗り手当もつき、生活の基盤がしっかり整ったこと。

その経済的な安定は、彼女自身の生活を支えるだけでなく、家族に“してあげられること”が増えたことにもつながりました。
「母に急な出費があっても手助けできる」
「自分の力で家族を支えられる」
その実感が、彼女にとって大きな“人としての自信”へと変わっていったのです。

組織に守られ、仲間に支えられ、自分の力を信じられるようになった

かつて抱いていた「怖い」というイメージは消え、代わりに心に残ったのは、
「この組織でなら、自分は成長できる」
「仲間とともに、前へ進める」

という確かな実感でした。
外から見る海上自衛隊は、重厚で厳しい“鉄の船”のように映るかもしれません。
しかし内部には、それぞれの体力・状況・能力を理解し合い、安全のために智慧を巡らせる仲間がいて、組織全体が絶妙なバランスで成り立っています。
仲間一人ひとりの配慮と責任は、組織の土台を支えている。
彼女が見たのは、そんな世界でした。

現在、今、広報業務に携わっています。
組織に支えられながら成長してきた目には、さらに高い目標へと向き始めています。
「専門知識を活かせる、情報・セキュリティ分野の仕事にも挑戦したい」
その声には、確かな意欲と期待が宿っています。

“平和に定年を迎えたい”という祈り

自立がもたらした自信、上司や仲間からの配慮が生んだ安心感、そして、組織の温かさを知った誇り。それらすべてが、「今」を支える力になっています。

そして彼女は静かに、しかし強い意思をもってこう言います。
「定年までこの仕事を続けたいです」
それは単純に「長く勤めたい」という意味ではありません。昨今の不安定な国際情勢を見つめる中、彼女は感じています。
世界情勢が不安定な今だからこそ、自分がここにいる意味がある。
そして、だからこそ「平和の中で定年を迎えたい」。
彼女が言う“定年まで”とは、
「有事がない平和な日本で、自衛官としての人生を終えたい」という願い。
その思いは、日々の任務に向き合う自衛官だからこそ語れる、重く、深く、静かな“平和への祈り”そのものです。

海上自衛隊 横須賀地方隊
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取材協力:海上自衛隊 横須賀地方隊
※プライバシー保護のため実名は伏せています。

本記事の著作権は著者に帰属しており、Yahoo!ニュース掲載分を加筆・再編集したものです。
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